症例ＤＢ【検索目次】 ；
処方ＤＢ【検索目次】
【方源】『玉機微議』
【組成】当帰・川弓・芍薬・防風・人参・木香・黄耆・肉桂・桔梗・
白止・檳榔子・厚朴・烏薬・甘草・紫蘇葉・枳殻
【主治】肝気鬱結で血液*於滞する者、或いは風寒湿邪が外侵し気血不和となり腫塊を結び皮膚の色は変わらない者。
『玉機微議』：無名の悪腫廱疽。
『医学正伝』：乳癌。
『外科発揮』：流注および一切の怒気が結んで腫痛するもの。
或いは胸膈が痞悶したり、風寒や湿毒が経絡に相搏ち、気血不和となり腫塊を結び皮膚の色は変わらない者。
或いは漫然と腫れて頂点がないもの。
『杏苑』：気毒湿毒、流注で全身に腫れがまわる者。
【方論選録】『済陰綱目』：乳癌は大抵気鬱によって生ずる。
肝は怒りを主りその性は条達すべきものだが、鬱して伸びずに曲れば、乳頭は厥陰経に属するからそこの気と痰がもつれて核を結ぶことになる。
風薬で発散し、気薬で滞を行らせ、参・耆・帰・芍で気血を補い、肉桂と血薬で血脈を和す。
【臨床挙例】 ●結核『医方口訣集』：
ある婦人の体に梅核のような腫痛が数十ケありました。
毎年春〜夏の間にその中の５〜７ケが破壊して膿血を流し、
腐って綿の様になったものを排出すると瘡根が脱落した。
次の年には又別の場所が破壊し、新しい根が次から次へと生まれて来るのです。
このようになってから２０余年になり、内外科の色々な処方で治療しましたが効果はありませんでした。
私がこれを診て気血の鬱から生じたものとして十六味流気飲を用いました。
２００剤ほど服したら翌年は新しい核は生ぜず、旧核も次第に消散しました。
●乳腺腫瘤『従症漢方治療実際』（大塚敬節著）：
３８歳の女性。４，５年前に腹を立てたことから右乳房が痛む様になった。診ると右乳房に梅干し大ほどの腫瘤があります。
周囲の組織とは連なっておらず、陥没もなく、圧痛があります。
その他に取り立てて言う事もないので十六味流気飲を１５剤与えたら
腫瘤は完全に消退しました。