【方源】『蘭室秘蔵』

【組成】炙甘草・肉桂・紅花 0.3 升麻・桔梗 1.5　白*止 2
　　　　当帰・生地 3　生黄岑 4.5　酒黄岑・連翹・黄耆 6

　　　　酒・水　各半にて煎じる。

【主治】臂上の手陽明大腸経に生じた廱。

【臨床挙例】　臂廱　；

　イ爺さんは生まれた時からの貧乏ぐらし、
その痩せた手の陽明大腸経上に廱が出来た。
寸脈はいずれも短、中程の力を入れると倶に弦、
更に力を入れて按ずると洪緩で有力である。
この廱は八風の変によるものであることは脈によって
断ずることが出来る。邪気は表にある。
その証拠に大小便は変わりなく、飲食も常の様である。

腹中は和して味覚も正常、裏は何ともない。
悪風寒せず、ただ熱燥のみで脈は浮いていないから 表も何ともない、 表裏が和しておれば邪気は経脈の中しかない。

『内経』にいわく、経絡にできる瘡廱は上半身に出る、と。
風は上から受ける故に、これは八風が変じて瘡廱に なったものと分かる。
故にその寒邪を治し、経脈中の血気を調え、凝滞させないことである。
白*止升麻湯を一服したら癒えた。

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