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処方ＤＢ【検索目次】
【方源】『脾胃論』
【組成】黄柏 1 干姜 1.5 天麻・蒼朮・茯苓・黄耆・沢瀉・人参 2.5
白朮・神麹 5 半夏・麦芽・橘皮 7.5
【功用】（１）『脾胃論』：温凉併済・補瀉兼施
（２）『中医方剤学講義』：補脾燥湿・化痰熄風
【主治】痰厥頭痛 咳痰稠粘 頭眩煩悶 悪心吐逆
身重肢冷 不得安臥 舌苔白膩 脈弦滑。
【臨床挙例】（１）痰厥頭痛 『脾胃論』：
范天×の妻、もともと脾胃の証があったが、この度は急に
煩躁が始まり、胸中不利、大便不通となった。
初冬に外出して遅く帰ったため、寒気が怫鬱して大いに悶乱した。
火が伸びることが出来なかったからである。
これは熱のせいだと医師は「疏風丸」で治そうとした。
大便は出たけれど病は減らなかった。
薬力が足りなかったかと思い更に七八十丸を追加した。
二度下痢をしたが前証はなお減らず、
更に吐逆が加わる上に稠粘な痰唾が湧きだして止まらない。
目の前は真っ黒になり、目が廻り、悪心煩悶に
気短から喘息するほどになり、喋る力もなく、心気が萎えて
目はつむったまま、あたかも雲の中にいる様で
頭は裂けるように痛い。
体は山の様に重く、四肢は厥冷し、臥せっているのも辛い。
私はこれは胃気が既に損なわれているのに更に二度も下したので
重ねて胃を虚し、痰厥頭痛となったものであるとて
半夏白朮天麻湯が主るところとして治した。
（２）不寝 『吉林中医葯』（1986; 6:20）：
丁某々、男、４６歳。三ヵ月来の失眠、頭がぼんやりして頭暈、
力なく心悸と気短があり、胸悶（月完）脹し、
曖気があり吐き気がする。
食べても味気なく、大便はすっきり出ず、
舌質は紅、苔は膩で微黄、脈は滑数。
和胃寧心のために半夏白朮天麻湯加減を用いた。
天麻10 半夏・白朮・枳殻・黄連・橘皮 7.5
茯苓・遠志・麦芽・瓜呂・酸棗仁・竹茹15
全部で２４剤を服して正常に入睡できるようになった。
（３）メニエール氏病 『安徽中医学院報』（1985; 1:17）：
張某々、女、７０歳。冬季に寒気を冒したため、
頭昏頭痛を病み、これで十日間ものがぐるぐる廻ってみえる。
西医の見立てではメニエール氏病で、服薬していたが効果が現れない。
眩暈はさっぱり減らず、吐き気があって、からえづきし、
涎沫を吐き、心悸と気短があり、胸が痞え、食物が入らず、
口中は粘膩で舌の先がしびれている。
しばしば便意を催すけれど大便の量は少なく細くて軟らかい。
体型は肥満型で舌苔は白膩、六脈は濡弱。
風痰上犯・中気が生来乏しいものと診断される。
半夏・天麻・陳皮10 白朮12 茯苓・党参・山査子12
呉茱萸 5 生姜 6 炙甘草 3
３剤を服薬して諸症は大いに減じ、もはや悪心は無くなった。
更に３剤を服して癒えた。