症例ＤＢ【検索目次】 ；
処方ＤＢ【検索目次】
【方源】『金匱要略』
【組成】竹茹・石膏 2 桂枝・白薇 1 甘草 0.7
【功用】安中益気
【主治】胃腸虚弱と授乳過多のため、婦人が煩悶・嘔逆を起こした 時。
【臨床挙例】（１）ヒステリー 『中医雑誌』（1986; 6:43）：
孫某々、女、４０歳。患者はその前年、何かの恐怖から
精神恍惚となり、泣き笑いが異常になり、ひとたび泣いたり
笑ったりすると止まらなくなる。
かと思うと黙したまま飲食をしようとしなくなり、
気持ちが悪いのかしきりに嘔吐する。
暗い所を好み、夜は不眠多夢である。
顔色は青く、舌質は少し赤く、苔は薄白、脈は弦数である。
これは肝火が陰を灼き、神明が乱されたのである。
私は清熱舒肝・調和胃気のため、竹皮大丸を用いたら３剤で癒えた。
（２）失眠 『中医雑誌』（1986; 6:43）：
李某々、女、２４歳。一月ほど前から不眠症になり元気がない。
顔色は悪く動悸を感じ、胸苦しい。
めまいと腰腿の疼痛があり、舌は淡、苔は白、脈は沈数で無力である。
患者はもともと血虚であったのに、そこへ精神的なショックを受けたため陰虚火旺・肝横気滞となり、神明が落ち着かず、
経絡が鬱滞したものである。
竹皮大丸５剤にて病は半減し、更に３剤にて癒えた。
（３）陽萎 『中医雑誌』（1986; 6:43）：
呉某々、男、２８歳。
３〜４年前から陽萎になり悪くなる一方である。
前妻とはこのために離婚となり、
次の奥さんも亦この為に離婚を請求している。
これまでに三腎丸、参茸丸などを服用したけれども少しも効かなかった。
現在は頭暈・身熱・小溲の黄赤・大便は燥結し夢見が多い。
舌は赤く黄苔、脈は弦数で力がある。
これは強い補剤を使いすぎたため鬱熱が内に籠もり、
宗筋が弛緩して勃起しなくなったのである。
竹皮大丸を１２０剤、連続して服用したら
翌年の春に奥さんが妊娠した。
（４）男性不妊症 『中医雑誌』（1986; 6:43）：
郭某々、男、２６歳。結婚してから２年たつのに子供が出来ない。
ある医院での検査では生きている精子は３０〜４０％しかいない。
体は丈夫で性生活も正常だけれども時々発熱と頭暈がある。
舌は淡紅、苔はやや黄、脈は滑数である。
これは温燥峻補の薬品を飲みすぎた為に精室に熱が籠もり、
精子が灼かれて死んでしまったものである。
竹皮大丸を９剤、連続して服用したら大いに効果があった。