403/403   GFB02043  養生堂            茘枝病
(13)   95/08/05 09:40

茘枝と柑橘・竜眼・枇杷・香蕉・菠蘿は福建の六大名果と呼ばれ、
国内外から好評を受けています。
茘枝果は甘く美味しく香りがあって誰からも歓迎されますが、
続けて大量に食べると軽くて発熱、重ければ「茘枝病」になります。
子供は特に気を付けなければなりません。

去年の夏、茘枝は豊作でした。
ある日、楊君は退社の途中で一度に十数Ｋｇも買って
家の中に置いておきました。
ご飯の用意をしている間に八才の一人っ子がその茘枝を勝手に食べたのに
気が付きませんでした。
昼食の後で子供がベットの上で仰向けになって寝ていました。
顔面蒼白でタラタラと汗をかき、声も出ません。
楊君はそれを見ると慌てふためいてどうしてよいか分からず、
私に急診を頼みに来ました。
詳しく聞いてみて、茘枝が三分の一も食べられているのが分かりました。
「これは茘枝病だ。」とすぐに砂糖水を飲ませてから、
更に茘枝の殻30ｇを煎じて飲ませました。
しばらくすると子供は気が付きました。

＜食鑑本草＞の茘枝の記載には「食べ過ぎると虚熱を発す」とあります。
又＜本草撮要＞には「茘枝の殻は茘枝熱を解す」となっています。
果実と殻は相制作用があるようです。
また茘枝を沢山食べて腹が張った時には醤油を10ml飲むと治ります。
ここに書き置いて茘枝好きの人の戒めとします。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「南方医話」　肖欽朗　より