350/350   GFB02043  養生堂            女性の腎陽虚
(13)   94/11/26 19:12

　　　　　−−−−−手足の冷えも病のうち−−−−−

一般に腎陽虚と言えば男性側にばかり言うけれども、
近年は女性側にも段々見られるようになり、医学界でも重視されている。
女性の腎陽虚的な主症状は
性欲減退・頭暈耳鳴・面色蒼白・精神萎靡不振・肢冷畏寒・手足氷凉・腰膝酸軟疼痛・
小腹冷痛・月経量少・血色晦暗・白帯過多・有異味などである。
当然、補腎助陽法が必要である。
この助陽或いは壮陽というのは人体の根本動力を刺激回復させる広義の方法である。
注目すべきは、わが国の中年・老年婦人に寒凉性体質の人が増えていることである。
陰凉の季節になると重大な腎陽虚・畏寒の諸症状が生じる。
冬は補腎助陽法を進めると色々な病気の治療にも良い。

ある中年婦人が15年間も胃酸過多症を患っていて、一日も制酸剤を離せなかった。
飲食は困難で身体は痩せていた。
去年の８月に腰膝が痛んだので医者にかかった。
医師は彼女に扶正補腎の薬を与えた。
ところが腰膝の痛みが治ったのみか、15年来の胃病までが治ってしまった。
いまでは普通に食べられるし、もう胃薬も飲まなくても良くなった。
これは決して偶然ではない。
祖国医学は胃酸過多症を「寒湿の侵襲から胃寒となり、それがもたらしたもの」
と認識している。
腎陽が旺盛になれば必ず胃を暖める。
結果的に、これにて駆寒暖胃の効果を取った訳である。

男性に限らず女性でも若し腎陽虚の体質なら、健康を保持する為には
壮陽ということを重視しなければならない。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（中国中医薬報　1994.9.26.より）