351/351   GFB02043  養生堂            授乳と漢方
(13)   94/11/29 19:43

　　　　　　−−−−産婦授乳の注意−−−−

　産後の体力を回復しようとして産婦が大量に中薬の補剤を取る事がある。
その結果、意に反して産婦の乳の出が悪くなり、乳房が脹痛し、
グリグリが出来ることがある。
一部には急性乳腺炎を患う場合もある。
外に時邪のあるのに補うと邪は益々ひどくなる。
内に悪露があるのに補うと悪露はいよいよ留まる。

　授乳中の産婦に消食の品を投与すると乳が出なくなる事がある。
張山雷は「消食の物は不思議な力がある。山査子・神麹もそうで、
これを飲むと忽ち乳が出なくなる」と言っている。

産後の欠乳には気血虚弱型（１）と肝鬱気滞型（２）がある。
（１）は乳汁が清稀で、乳房は張らず、面色が白く、皮膚は乾燥し、
　　　食欲は無く、便はゆるい。舌の色は淡く、苔は薄白く、脈は細弱である。
　　　気血を補益しながら通乳を図るべきである。
　　　　　通乳丹（人参・黄耆・当帰・木通・麦冬・桔梗・猪蹄）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（ブタの脚）
（２）は乳房が脹痛して硬いのに乳汁の出が悪く、煩悶して不快だったり、
　　　身熱があったり、胃が脹悶したりして食欲が減退する。
　　　舌は暗紅色で苔は薄黄、脈は弱いか数である。
　　　疎肝解鬱・通絡下乳を図るべきである。
　　　　　下乳湧泉散（当帰・白芍・川弓・生地・柴胡・青皮・花粉・漏芦・木通・
　　　　　　　　　　　白止・穿山甲・甘草・桔梗・王不留行・通草）

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（中国中医薬報　1994.9.26.より）