154/154   GFB02043  養生堂            人体の疾病相剋現象
( 4)   96/06/19 09:52

　新しい医学研究によれば人体に発生する疾病というものは必ずしも
悪い事ばかりではないと言っています。
調査によれば感冒時の人体が産生したインターフェロンには抗癌作用があり、
癌細胞を萌芽状態に於いて捉えて消滅させる事が出来るそうです。
感冒時の人体の免疫系統は亦ある種の攻撃性免疫細胞を産生し、
専ら癌変化する細胞に対抗すると言います。

　発熱もまた人体にとっては有益です。
但し３９℃以上の高熱を指すのではありません。
中等度の発熱は人体の免疫力を増加し、体内の防御系統である呑食細胞や
Ｔリンパ細胞を動員して異物（病原体を含む）の侵入に対して進攻を起こさせるし、
白血球は熱に会うと血液中の鉄の含量を低くして、細菌が繁殖に必要な大量の
鉄分の供給を減らして細菌の成長を抑制する。

　外国の学者は病を以て病を治すという一種独特な療法を研究しています。
最近アメリカの研究者は急性白血病の患者が病毒性肝炎にかかって
肝炎の治療をしていたら、白血病が好転して治る事を発見しました。
又ある精神分裂症の人が何か重大な他の身体疾病にかかり、
それが治った後で精神症状が奇蹟的に消失していました。
ギリシャとインドの学者も似た様な病例を発見しています。
ある瘧疾の病人が同時に鎌形赤血球の貧血者でもあった場合に、
一旦貧血発作を起こした後では瘧疾は跡形もなく消えていた。
低カリウム血症の人と感冒にかかりやすい人は癌症とはいつも無縁であった。
糖尿病の人が若しリンパ細胞性脈絡叢の脳膜炎に感染すると糖尿病は
治療せずとも治っていた、等々。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（中国中医薬報　1996. 5. 8. より）