578/579   GFB02043  養生堂            久視傷血損於目
(13)   96/11/23 14:08

　中医学では肝は藏血を主り、血液の貯蔵と血液量の調節の機能を
備えていると考えており、肝と目の関係は極めて密接である。
『内経』では「肝は血を受けて能く視る」と説いている。
眼球が万物を視て黒白・長短を区別するのはみな血と関係がある。
若し視力の保護をおろそかにし、長時間目を使うと
「久視傷血」により目を損なうことになる。
症状としては　頭昏　９２％，視力低下　７１％，眼脹　６７％，
　　　　　　　食欲低下　４６％，頭痛　４５％，悪心　３４％，
等であり、これらの症状と「肝失条達　気滞血鬱」は関連している。
症状の著しい者は“舒肝明目湯加減”を用いるのも良い。

　当帰・白芍・柴胡・白朮・茯苓・牡丹皮・山梔子・桑寄生・夏枯草10
　香附子・草決明10　桑椹子30　甘草 6ｇ


　年齢を経るにつれて老化現象が現れ、目がかすむようになる。
長時間書物を読んだりすると頭痛・眼脹・眼干渋となり、
文字がかすんだりダブッて見えたりする。
ひどくなると悪心・嘔吐を催す者もいる。
この症状は老化による肝腎虧損・精血不足が「久視傷血」に更に
加わったものである。
かくなる時は“石斛夜光丸*”か“杞菊地黄丸”を飲まなければならなくなる。

(*) 天門冬・人参・茯苓・麦門冬・熟地・生地・菟絲子・菊花・草決明・
　　杏仁・山薬・枸杞子・牛膝・五味子・疾藜子・石斛・肉従蓉・川弓・
　　甘草・枳殻・青相子・防風・黄連・犀角・羚羊角

　　　　　　　　　　　　　　　　　　（中国中医薬報　1996.10.18　より）