183/183   GFB02043  養生堂            八宝粥に含まれる八っつの薬草
( 2)   94/11/07 10:22

中国では「八宝粥」なる缶詰が色々出ているそうです。
八宝菜なら中華料理でお馴染みの家庭惣菜ですが、
八宝粥とはこれ又中国は何でも縁起の良い八宝がお好きなようです。
「親親八宝粥」「真味八宝粥」「新東陽八宝粥」「録得八宝粥」・・・
これらは香り良し、味良し、冷熱どちらでも良し、
栄養豊富でおまけに健康に良いと来ている！
「八宝粥」の主要成分は
糯米・赤小豆・緑豆・落花生・竜眼肉・大棗・蓮子・意苡仁　の八種類です。

　糯米（もちごめ）は温性で胃腸を暖める効果がある。（注１）
若し長らく下痢をして止まらないならば糯米粥を常食にすれば止まる、
という民間の言い伝えがある。
　赤小豆は澱粉・タンパク質・ビタミンの外に、民間薬的にはこれまた
妊娠中や産後及び老人へ冬の補剤として薦められ、便秘を治す働きもある。
　緑豆は《広群芳譜》の中では「済世の良穀」と呼ばれ、解毒作用がある。（注２）
暑い時には緑豆粥や緑豆湯として食べると、解暑解毒の効果が優れている。
　落花生は又の名を「長生果」と言い、わが国では古来から
落花生には滋補益寿・長生不老の効果があるという伝説があり、
「落花生を食べていると養生になり、葷（肉類）を食べたくなくなる」
という賛美の言葉がある。
落花生のタンパク質は30％も含まれ、小麦の２倍、米の３倍もある。
消化率は90％にもなる。落花生の有用性は比較にならない。
《本草綱目拾遺》には脾胃を喜ばせ、肺を潤おし於血を消し、滋補調気するなどと説かれ
、栄養不良・脾胃の失調・咳嗽痰喘・乳汁欠乏などに適用されている。
落花生は老人にも少年にも良い。少年や児童では記憶力が強くなり、
老人では体が強くなるので真に有益である。
　竜眼肉にはブドウ糖・蔗糖・酒石酸・ビタミンＡＢが含まれ、
やはり益脾長智の要薬である。
思慮過度が原因の健忘や失眠や神経過敏症、病後や産後の体力の衰え、
腸風下血などの症を治す。
これらは脾胃の気を補い、血液の不足を補う為である。
昔は宦官や富商の家では竜眼肉がお茶受けには必須の干果であった。
長年食べていると疲れないものだ。
　大棗・蓮子・意苡仁も皆宝である。
　大棗肉の中にはタンパク質・脂肪・糖類・有機酸・燐・カルシュウム・鉄・
カロチンＢＣＤ等の人体の健康に有益な物質が含まれており、
中医師は肝炎・過敏性紫癜・血小板減少症等の症に常用している。
　蓮子は清心養神し、失眠を治す。
　意苡仁はめまい、多汗症を治す。
両方の食物としての栄養価は非常に高い。
　　　　　　　　　　　　　　　　　（中国中医薬報　1994.9.2. より）

（注１）緑豆：ブンドウ豆。モヤシの原料。　　　　　　　　　　MES.(13) #252 
　　　　　　　甘、寒。胃経に入り、兼ねて心肝経に入る。清熱解毒の品。
　　　　　　　能く腸胃を厚くし、皮膚を潤し、脾胃を和すというは皆毒邪内識を消
　　　　　　　すためである。一切の廱腫で奏功しないものは無い。
　　　　　　　煮汁は消渇を止め、磨粉は乳香、丹砂と合わせてれば外瘍の毒が心に
　　　　　　　入るのを防ぎ、枕にして夜眠れば明目疏風する。
　　　　　　　杖瘡（杖打ちの刑）の疼痛には卵白と練り、調敷すれば即座に癒える
　　　　　　　。麻疹の予防になるし、また附子、巴豆、砒素などの連用による毒を
　　　　　　　消す。

（注２）糯米：甘温、脾肺の虚寒を補う。　　　　　　　　　　　MES.(13) #311 
　　　　　　　大便を固くし、小便を縮め、自汗を収め、痘瘡を発す。
　　　　　　　性は粘滞で消化しにくい。病人と小児は最もこれを忌む。
　　　　　　　痰熱瘋病及び脾病で消化吸収力の劣った者がこれを食べると
　　　　　　　病を発して積となる。